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地元で唯一公開しているマンステールのチーズ工場(France Lapoutroie)Jacques Haxaire 2008年6月



6月18(水)の午後2時に、Lapoutroie村にあるマンステールのチーズ工場の  ジャック・アクセール(Jacques Haxaire)を訪問しました。ここの工場見学は、ランジス市場の会社を通して前の週の金曜日に予約してありました。(一般の人も事前に予約をしておけば、見学することができます。)
 
この地域でマンステールを作っている所は、大きく3つのタイプに分けられます。一つ目は、ここの様に複数の農家から集めたミルクからマンステールを作っている工場。2つめは、出来たばかりのマンステールを買い取り、それを自分たちで熟成させて出荷する熟成マンステールチーズ工場。そして3つ目は、牛を飼いそのミルクだけでマンステールのチーズを作る農家です。この工場を見ることで、3つのタイプ全ての製造現場を見ることになります。農家やチーズ熟成会社では、お願いすると見学をさせてくれる場合が多いような気がしますが、こうした大きなチーズ工場の場合は、部外者を中に入れる事には消極的な場合が多いようです。私達のように仕事でチーズを輸入している者であっても、受け入れを断られる工場があるのです。

学生さんの団体客やドイツから来た年配の観光客なども積極的に見学を受け入れています。

建物に入ってしばらくすると、3世代目になる奥さんのヴァージニさんが息子さんと一緒に私たちを出迎えてくれました。マンステールは、午前中に作っているので、今の時間帯は清掃や出来上がったマンステールを洗う作業などをしているということでした。マンステールを作る様子は、下の写真のようにガラスの仕切り越しに工場内の様子を見ることができます。

50リットルほどのタンクに牛乳とレンネットを入れて凝固させます。レールを動いている間の時間が経つと、ちょうどカードを切れるタイミングに合わせてあります。

この製造ラインは、何度か見たことがありものでした。ノルマンディー地方で見たリヴァロとポンレヴェックを作っているシュヴァリエさんのチーズ工場と同じラインでした。実際のチーズ作りをこうしてガラス越しに見える他、順路にある両側の壁にパネルが展示されていて、チーズ製造の過程毎に文章と写真で解説されているので、ゆっくりと立ち止まって確認することもできます。また、機械化される前に使っていたチーズ作りの道具なども展示されていて、ちょっとした博物館の様になっています。とても工夫されていると思いました。入場料は無料です。

チーズを作っているのを見るには、朝に限ります。8時、9時から行くと全部を見ることができます。

見学を終えると下の写真のような広い部屋に入りました。ここでは、このチーズ工場で作っている全てのチーズの特徴と実物が展示されてします。そして、その全てのチーズは、試食も出来るように用意されています。気に入ったチーズがあれば、その場で買うこともできます。私たちの後からは、観光で来た年配の団体さんがやってきました。その後には、若者のグループを乗せたバスも到着しました。観光客も積極的に見学を受け入れているようです。

マンステールの他にもカチョカヴァロのようなセミハードのチーズやオードヴィーで洗ったチーズなど20種類以上ありました。

下の写真の様にヴァージニさんと息子さんと一緒に写真を撮りました。ヴァージニさんは英語が話せるので、とても助かりました。ここに来る前に行った幾つかのチーズの製造現場で湧いて来た疑問も、彼女のお陰で解決できました。息子さんは、チーズが好きな様で、将来は四代目の社長になることと思います。お母さんと一緒に外国から来たお客さんともてなすとは、何とも頼もしい小学生でした。

日本語も少しわかるようで、こんな小さな村にそんな人が居るとはとても驚きました。

規模の違う複数の工場を見ることで、共通することや異なることがはっきりと見えてきます。今回の旅で分かったことは、別の機会にお伝えしたいと思います。


地元で唯一公開しているマンステールのチーズ工場(France Lapoutroie)Jacques Haxaire 2008年6月