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マンステールを作るケンプさんの農場で搾りたてのまだ温かい牛乳を飲みました。 2008年6月



6月18(水)の夕方、ケンプさんの家では夕方の搾乳をしています。取材を終わる頃、奥さんに搾りたての牛乳を飲みたいとお願いしたところ、「良いわよ!」と飲ませてくれました。
 
家からお嬢さんが容器とグラスを持ってきてくれました。容器を両手で触るとまだ温かいのです。牛の体温は人間よりも1度から2度高いので、搾ったすぐだと牛乳も温かいのです。まさに搾りたてです。

奥さんは、アンヌさん。フランス人には珍しく?、よく笑う、とても楽しい方でした。

まずは、美奈子店長が飲みました。きりっと冷えた牛乳じゃないので、味や香りがよく分かります。美奈子店長は、親戚に牛を飼っている人がいて、小さい頃に飲んだそのおじさんの牛乳の味がすると言っていました。

チーズを輸入するようになってからは、チーズを毎日のように食べるせいなのか、美奈子店長は牛乳を買わなくなりました。

続いて私も飲みました。先月(5月)にイタリアのトレンティーノ地方にあるプレダッツォ町の生乳の自動販売機での飲んだミルクと同じ味がしました。コクがあるというか甘みを感じるというか、これが母乳の味とでもいうのでしょうか?味付けされた味ではなくて、変な表現ですが、自分の体液のようなすーっと飲めます。喉に引っかからない感じなのです。生乳を飲みなれていない私には、生乳の味は「こうだ!」という固まったイメージはありません。日本に出回っている高温で殺菌された牛乳に馴染んでいる私には、この牛乳も違うことは分かるのですが、はっきりと「こう違う!」と云う事を文字で表現するのは、難しいです。

ケンプさんの牛乳。牛の品種は、シンメンタールとモンベリアールです。

ここの牛は、夏の4ヶ月はほとんど外に出て牧草地で寝ています。、自分ですきな牧草や花を食べています。下の写真のような美しい花も好んで食べているそうです。こうした花や草がミルクの香りや美味しさに出ているのだと思いました。

ケンプさんの牧草地に咲いていた美しい紫色の花。こうした花も牛は食べるそうです。

おいしいチーズを作るには、原料のミルクの質が大切です。そのミルクの質、例えば乳脂肪分を上げるために、農家では与える餌にもいろいろな工夫をしています。それとは別においしい牛乳を生産する為には、牛の生活環境を整えてあげることも大事です。ケンプさんの農場では、他人の力をあてにせず、家族だけでやっていける様な頭数の牛を飼っています。これはとても大事なことだと思います。夫のダニエルさんは、全ての牛の世話を一人でやっています。だから、どの牛が調子が良いとか悪いとか、どの牛がリーダーだとかを彼らの生活の様子を観察しているので、よく知っているのです。全ての牛の一頭一頭の牛の健康状態を把握して見守っているので、牛もストレスが掛かることなく暮らして行けるのです。そうした積み重ねが、この美味しい牛乳であり、美味しいマンステールのチーズになっているのだと思いました。「小さいことは美しい!」です。「小さいからこそ出来る理想の美味しさがある。」と改めて思いました。今日も本当に良い経験をすることが出来ました。本当にご馳走様でした。


マンステールを作るケンプさんの農場で搾りたてのまだ温かい牛乳を飲みました。 2008年6月