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Gerbamont 村でマンステール・フェルミエを作る農家(POIROT−VAXELAIRE)2008年6月



6月19(木)、Ermitageの工場で聞いた情報を頼りに、隣村のGerbamontに向かいました。時刻は、10時過ぎです。急がないとチーズ作りが終わってしまいます。
 
村に入ってから小さな看板に「Munster・Fermier」という文字を見ました。その方向に向かって進むとやがて大きな牛舎が見えました。その脇には、下の写真のようなチーズ工房らしき建物があります。さっそく、美奈子店長と中に入り、見学させてもらえるか交渉しました。

マンステールを作る工房。その裏には牛舎があって、大きな牛が30頭ほど暮らしています。

部外者がチーズ工房に入るのに相応しい服装をしていないと衛生的に問題があります。窓ガラスの外から写真を写すか、或いは勝手口からだとOKということで見せて頂きました。
 
ここのチーズを作る上で、今までの生産者と大きく違う点は、下の写真です。牛乳が固まったものを切るやり方です。一般的には、ピアノ線を張った道具でカードを切りますが、ここでは、薄い円盤の様な道具を手に持って、それで切っていました。

工房内の気温は28度以上。そしてとても湿度が高いです。

始めは、円盤を縦にして上から下に押し下げながら、カードを切ります。それを何度かやったあとで、今度は円盤を大鍋の奥まで入れて水平に切っているようでした。

穏やかな顔をしていた職人さん。こういう顔になりたいです。

時々、両手で切れたカードを取って、その大きさを眼で確認しています。チーズごとにカードの大きさをどれくらいにするか決まっています。マンステールやカマンベールなどのチーズは、カードが比較的粗いというか大きめです。

若さあふれる女性の職人さん。マンステールの様な小さいチーズ作りは女性が担当することが多い気がします。

全てのカードが切れたら、今度はバケツを使ってカードを下のようにホエーごと型枠に入れていきます。ジャジャーと音をたてて、カードがそれぞれの容器に入っていきます。

型枠に載せるアッタチメントがあるお陰で、どばっっとカードを一気に入れることができます。

大きなマンステールの容器の場合は、下の写真のように1個ずつバケツからカードを流し込んでいきます。集中しているのだと思います。ほとんどこぼさずに入れていました。

流れたホエーは集めて子牛に与えているそうです。いい香りがしました。日本では、ホエーを水分を抜いてホエーパウダーにして、ヨーグルトを作る原料に再利用している乳業会社もあるそうです。

上にあてがっていた道具を取り除くと、下の写真のようにそれぞれのマンステールの小さな容器にカードがきちんと入っていました。これを一日置いておき、明日の朝に塩を振りかけて、次の作業(表面を洗って熟成させる)に移ります。

おみやげにこのマンステールを頂きました。この後公園で昼食にあのパン屋さんのバゲットと一緒に食べました。とてもおいしかったです。全然臭いチーズではないのです、マンステールって。

昼12時に町内に時間を知らせるサイレンが鳴りました。しばらくするとあの男性の職人さんが工房から出てきました。規則正しい生活をすると穏やかな顔になるんだろうかと考えました。本当にのどかな村でした。こういう処で作られるチーズがはるばる日本まで届いて、家で食べられる幸せを感じました。午後からは、HANSIというチーズ工場に行って、見学をお願いしようと思います。


Gerbamont 村でマンステール・フェルミエを作る農家(POIROT−VAXELAIRE)2008年6月