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藤九郎という品種の銀杏を収穫して、製品にするまでの作り方を解説します。 大分県九重町 2007年11月20(火)



この日は、梨農家の吉武さんに銀杏の収穫の体験をさせてもらいました。2日前から日本列島に寒波が押し寄せていて、寒い日でした。小雨も降り最高気温は5度なので、冷蔵庫にいるような寒さです。(標高500mほどあるので、さらに寒い所だと思います。)吉武さんの住む松木地区から車で15分ほど更に山を登ったところに、約1、000本の銀杏を植えた山がありました。下の写真がその山です。葉が黄色く見えるものやすっかり落ちてしまい枝が涼しそうに見えるものなど、一面いちょうの木がありました。頂上に向かう農道は、落ち葉で一面黄色いじゅうたんになっています。とても美しい光景でした。

吉武さんが若い頃、ぎんなんをせっせと植えた山です。約1,000本もあるというから驚きです。

お目当てのぎんなんですが、枝にさくらんぼのように付いているものや既に地面に落ちているものなどがありました。ぎんなんの太い幹を両手で揺らすと、枝にあるぎんなんが「ぼとっ、ぼとっ、どどどっ」音を立てながら次々に落下して回りの空気を響かせます。それはまるで音質の良いサラウンドシステムで聞く様な臨場感で、「ああー正に今この場に居るんだ!」と胸が高鳴ってきます。

落葉したいちょうに残る実。ぶよぶよとしてとても柔らかいです。

余韻に浸っていては、作業が進まないのでさっそく4人でバケツを持って、地面に落ちている銀杏を拾い始めました。吉武さんの話によると、落葉が始める前に拾えば、見つけ易いのですが、今日のようにもうほとんどの葉が地面に落ちていると、落ち葉を避けてぎんなんだけを拾うのは難しいということでした。なるほど、落ち葉にぎんなんが隠れてしまい、見つけるのが大変でした。

二人ともゴム長靴はスーツケースに入れて札幌からもって来ました。いつもの園芸ルックでぎんなんを拾う美奈子店長。

何もしないで、ぎんなんの実を見つめているとさくらんぼうの様な形をしていて、色があんずの様でそのまま食べても美味しそうに見えます。しかし、実際にはこれはとても臭く、また素手で触るとかぶれたりすることがあるので、ゴム手袋をしてからでないと拾ってはいけません。「いちょう」といえば裸子植物で、とても太古からある植物なんだなぁとふと思いました。そして、いちょうの木はオスとメスがあり、メスだけが実を結びます。この山ではほとんがメスの木が植えられていますが、受粉のために10%以下の割合でオスの木も植えているそうです。

これがさくらんぼだったら・・・。でも季節の恵みを感じるぎんなんも私は好きです。

吉武さん夫妻はさすがに慣れているので、私達には難しい傾斜地で作業をされていました。前日の霜や雨などで地面が濡れていて、長靴の足元は滑りやすく大変でした。青いバケツが一杯なると大きなビニールの袋に入れて、またぎんなんを拾います。この繰り返しを約2時間ずっと行ないました。時折、奥さんが鎌で下草や落ち葉を払ってくれたので、その場所は落ちているぎんなんを見つけ易かったです。そして時々、手を休んでは腰を伸ばす運動をしました。拾う音しか聞こえてきません。実に静寂です。でも、それが都会に住む私には尊い空間でした。

地元大分県のTV局のカメラマンが取材に来ていました。その日の夕方のTVで放映していました。吉武さんは、大分県の農協のぎんなん部長なんだそうです。

そして、この手作業をしながら私は考えていました。これはイタリアでのオリーブの収穫と全く同じで、生産コストのほとんどを人件費で占めていると。作業がとても重労働だと思いました。近年、中国産のぎんなんに押されて、あまり高く売れないぎんなんは、どうしてもその収穫を後回しにしてしまうと吉武さんは嘆きます。また、最近はお金を払って収穫をしてくれる地元の人も少なくなったといいます。これも大きな問題のようです。そして、収穫が終わっても、すぐ出荷出来るわけではありません。この後、洗ったり乾燥させたりといういろいろな工程を行なわなければならないのです。手作業が多いから、出来上がった製品の差は、人それぞれに大きく異なるとも感じました。だから誰から買のうかが重要なのです。「50kgのぎんなんを札幌に持ち帰りたいと。」いう私の目標は、とても高いハードルの様な気がしてきました。150kg以上は拾わないと、50kgの銀杏の製品にはならないそうです。とほほ・・・。お昼ご飯を頂いてから午後も精一杯頑張ろうと思います。


藤九郎という品種の銀杏を収穫して、製品にするまでの作り方を解説します。 大分県九重町 2007年11月20(火)