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自営業の素晴らしいところは経済的に楽なこと。



自営業を創めてから、以前の職業(公立中学校の教員)と比べていろいろな違いがありました。今回は我が家の経済についてお話したいと思います。


自営業になって良かったのは、買い物をする時に値段を気にすることが少なくなったことです。もちろん、割高なものを進んで買う気にはなれません。値段と商品の質のバランスについても目利きが出来るようになったからです。それは、いろいろな原価を知っていることや小売店での利益率についてなど、商売を通していろいろと見えてきたからです。そうした目で見て、自分が欲しいと思ったものは我慢せずに買えるようになりました。また、この仕事を創めた時の目標の一つが、仕事でヨーロッパに行けるようになる事でした。今こうしてその夢が叶い、年に5、6回海外旅行をするようになりました。でも、この旅費は私の財布からはほとんど出ていません。仕事で行っているので当たり前と言えば当たり前ですが、こんなに一年に何回も海外に行かせてくれる会社は、日本にはそうそうないと思います。私の場合、自分が作った会社((泣Aークトレード)から旅費が支払われ、旅費交通費として決算されています。(もちろん税務法上認められています。)旅行に行くのは私なのに、自分の財布から出て行くのはわずか20%ほどです。一例をあげますと、札幌からパリまでの飛行機代が往復で15万円。それに宿泊代、レンタカー代などを合わせると、20万円〜25万円になります。年に5、6回行くと、二人で合計300万円前後にのぼります。そのほとんど(80%)を個人で支払う必要がないのです。こうした金銭的なメリットがあるのも自営業の良いところです。(注;自営業者といっても私達は、有限会社を作り法人化しているので、個人事業主よりも税制上のメリットは多いと思います。その違いは別の機会にお話したいと思います。)

ピュイローランのマルシェで自家製のワインを売るおじさん。1Lのペットボトルに入れて、150円ぐらい。申し訳ないほど安くておいしいワインでした。人柄がワインに出ています。おじさんも自営業なのでしょうか?(MAY 2006)

このように個人が事業を行なう自営業では、やり方しだいでは大きなメリットがあるのです。しかし、一方で自営業者(個人事業主)は、確定申告をする際に一般のサラリーマンの様な必要経費(給与所得控除)が最初から認められていません。仮に年収600万円のサラリーマンなら 年間174万円の給与所得控除額が差し引かれています。その経費は月に直すと15万円。つまりサラリーマンでは、「仕事をする上で必要ならば、毎月15万円分の経費を使ってもいいですよ。」と国が認めていてその分、所得税が軽くなっているのです。実際にそれだけの額を背広など仕事用に買う人はほとんどいないと思いますが、所得税を算出する金額は600万円ではなく、174万円を引いた後の426万円なのです。ところが、仮に600万円の所得のある自営業者では、この174万円の経費は最初から与えられないので、もし経費が一円もないと600万円に対して所得税がかかって割高となります。給与所得者(教員)をしていた頃は、「自営業者はいいなぁ、経費が使えて・・・。」と思いましたが、実際に自分が自営業になってみると、174万円も仕事に関係した支出として使うのは大変です。自営業者は、実際にお金を使って初めてサラリーマンと同じ所得税になる税制なのです。するとどうなるかと云うと、月当たりサラリーマンと同じ15万円を使い領収書を集めると、経費になって所得税もサラリーマンと同様に低額になるのです。私達の仕事、「チーズとワインとオリーブオイルの輸入と販売」に関係ないものを買ったり食べたりしても経費としては認められませんが、15万円の使い道をそれなりにやり繰りできるのです。先に例を挙げました仕入れの旅の旅費150万円/人も、私が会社を持たない個人事業主だっととしても、同様に経費として8割以上は認められるのです。このように好きな事を仕事にすると、金銭的にもメリットが大きくなるのです。収入はさほど多くなくてもそれ以上の生活が出来るのが、自営業の素晴らしいところなのです。(私の場合、年収が仮に400万円だとしても、仕事での300万円の旅費が認められるので、結果的に年に5,6回も海外に行くことが出来るのです。)これはとても大きな事だと感じています。この他にも些細な事ですが、食べたいものは値札を見ないで何でも買う事が出来るようになりました。(原産地や添加物は良く見ますが。)これはとてもうれしいことです。まるで財布を2つ持っているとでも云うのでしょうか? そうした心のゆとりが持てるようになったのが、自営業をやって良かった事の一つだと思います。でも不思議なもので、お金に余裕があるようになると、案外お金は使わなくなるのです。買えないと思うと欲しくなるのに、いつでも買えると思うと買いたい欲求がぐんと小さくなる気がします。そして本当に欲しいものだけを財布を気にせずに買えるようになりました。このように生活に時間があり心にゆとりが出来ると、物欲が減るのかもしれません。(でも、消えてなくなるおいしい食べ物はいつでも欲しくなります。^^)私は本当に食道楽なのかも知れません。)
 
自営業になってからは、輸入の方法やチーズの勉強以外にもこうした金銭面など、実にいろいろなことを勉強しました。今回の経理関係のことは、教員をしていた頃にはさっぱりと分かりませんでしたし、興味もありませんでした。しかし、今は自営業をやっているので仕事に関する全てを自分達でやらなくてはなりません。そうした環境に身を置くことで、必要に迫られていろいろなことを見聞きして学んできました。こうした過程は一見、面倒くさそうで面白みがないように見えますが、知れば知るほど世の中の仕組みも間接的に見えてきて、私にはおもしろく写りました。「知るのは、実に楽しい。」全ては、この言葉に凝縮していると思います。


自営業の素晴らしいところは経済的に楽なこと。