| TOP |  お買い物方法 |  4月(2008)の愛媛のみかん農家と高知・四万十町の椎茸農家を訪ねる旅日記 |

高平さんの山の斜面にある畑で宇和ゴールドを収穫しました。(4月2008愛媛県・愛南町)



4月22日(2008)の朝、楽しみにしていたみかんの収穫に行きました。ここは愛媛県の最南端にある町、愛南町。長年みかんを栽培していらっしゃる高平さんご夫妻は、「農家民宿のどか」も営まれています。宿で美味しい朝ごはんを頂いた後、夫の和豊さんは一足先にトラックで山に行きました。私はその後に妻の玲子さんの運転する軽四トラックで山に向かいました。南向きの山の斜面は、緑の葉とみかんの黄色が絵のように美しく、斜面にある畑には太陽がいっぱい降り注いでいて、みかんの成長には良さそうな環境でした。山の高度が上がるほど視界がどんどん広がっていきます。朝方は、やや曇っていましたが、それでも温かそうな海が遠くにずっと見渡せます。気温はまだ15度以下でやや肌寒いです。

軽四輪で山を登り、みかん畑に到着。収穫するにあたっての注意事項を高平さんからお聞きしました。

畑に着くと和豊さんから収穫に必要な軍手や鋏やみかんを入れる青い袋を渡されました。そして、収穫に当たっての注意事項を聞きました。鋏でみかんの枝を切った後は、さらにその枝を根元に近いところで切り落とさないといけない様です。そうしないと別のみかんの表面にこの出っ張った枝が突き刺さったりして、穴があいたり傷付くのだそうです。なるほど、・・・。

鋏でみかんを木から外した後、その枝を根元で切り落とします。慎重にやらないといけません。

写真からだと平地のように見えますが、ここはみかんの段々畑という感じで平らなのは、1mほどの幅の木々の間しかありません。かなり急な勾配です。みかんが手からこぼれるとずっと下まで転がってしまい、追いかけるのが大変でした。そして、そんな地面の中でも、手を伸ばしても届かない位置にあるみかんは、脚立に登って収穫しなくてはなりません。全てが人の手だけによる収穫なのです。「狭い、そして急斜面の畑」。これでは機械も入れられません。とても大変な農作業だと思いました。

急な斜面での脚立に登った作業は、中々危険です。安全第一で慎重に作業します。

さて楽しみは、朝10時と昼3時の休憩時間です。みかんを入れる黄色いコンテナ(箱)を逆さまにしてそれに座り、お茶を飲みました。収穫の手伝いに来ていたしのぶさんがおいしいお茶を入れてくれました。和豊さんは、「みかんも食べていいよ。」と勧めてくれたので、私はみかんをジュース代わりに少しだけ食べました。新鮮なみかんは、瑞々しくてジューシーでした。いろいろな世間話をしました。そして、また作業を始めます。野鳥が鳴いている声と風が葉を揺らす音だけが聞こえてくる空間でした。鶯の鳴き方も「ホー、ホケキョ」だけではなくて、その続きがあったのです。息継ぎができないほど「ヒコヒコヒコ?」と長く鳴いていました。

段々と黄色い箱がみかんで一杯になっていくのは、楽しみです。

木と木の間の通り道には、コンテナが等間隔で置かれています。肩からぶら下げた袋からみかんを出してその箱に入れていきます。作業をするほどに、この箱がみかんで一杯になるその過程が楽しみになり、また木に登ったり近づいて、みかんを収穫していきます。

これが、通称宇和ゴールドと呼ばれています。品種は、晩柑といいます。愛南ゴールドといったり、地域や生産者ごとにいろいろな通称があるようです。

上の写真は、玲子さんが以前に送ってくれた愛南ゴールドの写真です。収穫をしながら、和豊さんに「おいしい愛南ゴールドの選び方」を教えてもらいました。マンゴーのように全体的に細長い形のものよりも、上から下に行くにつれてずんぐりとした安定感のある形の物がおいしいそうです。大雑把に言えば、正三角形のような形というのでしょうか。こういう話を聞いてからは、一つ一つのみかんを手にした時、これはおいしいとかこれはもうひとつかなとか考えながら鋏を入れました。想像しているととても楽しいです。

代々専業農家だったのですが、みかん栽培を始めたのは、この和豊さんからだそうです。好きなことをやって来たという輝く顔が印象的でした。

最後にご夫の高平和豊さんのお顔をどうぞ。今回の旅では、美奈子店長が中耳炎になったので飛行機には余り乗らない方が良いということで、今回の旅は私一人になりました。いつもは私は写真を撮る側なのですが、今回は玲子さんに撮影をお願いしました。日に焼けた健康的な顔をした和豊さんは、61歳。とても元気です。農協では、まだまだ若手の様で、都会に住む同年代の人とは明らかに持っているエネルギーが違います。食欲も旺盛で背が伸びていると思うような「永遠の高校三年生」という感じの素敵な方でした。私もこういう60歳に成りたいです。好きなことを仕事に出来て、毎日体を動かして働いているのが良いのだと思います。70歳、80歳になっても美味しいみかんを作り続けて欲しいと思います。


高平さんの山の斜面にある畑で宇和ゴールドを収穫しました。(4月2008愛媛県・愛南町)