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農家民宿「はこば」の田辺さんと山に入り、ぜんまいやわらびを採りました。(4月2008 高知県・四万十町)



4月20(日)は、高知市で開かれる日曜市を見ました。その日の午後に四万十町の中津川地区にある「農家民宿はこば」に着いて、楽しくて美味しい晩ご飯を頂きました、。次の朝は、朝日と鳥の声で自然に目が覚めました。札幌ではまずしない散歩がしたくなりました。昨年の5月に田辺さんの所で体験させてもらった茶摘み。そのお茶の木は、今頃はどうなっているのかとても気になりました。また、田辺さんの畑の野菜、飼っているにわとりも見たいと思いました。客子さんが作るお料理は、相変わらず素晴らしく、目にも美しくバランスのとれた食事でした。美味しい朝食を頂いた後、田辺さんに長靴を借りました。これから二人で軽四トラックで山に行くのです。そうです、今日は山菜採りをするのです。

「農家民宿はこば」の田辺さんに案内されて山で山菜採りをしました。急な斜面もまるで足に吸盤が付いているかのように軽快に歩き回る田辺さん。自然に溶け込んでいらっしゃいます。

ぜんまいやわらびは、上の写真の様に木を切り倒して太陽が良く当たる場所にあるそうです。田辺さんは、レジ袋を持つとあっという間に坂を下りて、ぜんまいやわらびを採り始めました。上の写真で赤い部分が田辺さんです。足に吸盤が付いているかの様に斜面をもろともせずに軽快に動いています。

久しぶりに見たぜんまい。子供の頃におばあちゃんと一緒に山菜採りをしたのを思い出しました。

わらびは、一本一本違う場所に生えていますが、上の写真のようにぜんまいは、寄せ合うように一ヶ所にかたまって生えていることが多いようです。30分ほどして目が慣れてくると、どこに山菜があるのかが段々と分かってきます。だから、より早く見つけることが出来て、私のレジ袋も一杯になってきました。どこも同じように植物が生えていると思いがちですが、斜面の傾きや方位、そして回りの木が生えて日陰になっているか、あるいは伐採されて風通しや日光の当たり方が良いかどうかで、植生が全く違ってくるのです。ぜんまいやわらびは何となく湿った暗い場所にある様なイメージがあったので、今回の山菜採りの発見は意外でした。
 
山菜採りが一息ついたので、今度は山道を歩いて下りながら、椎茸の原木が積み上げてある場所に行きました。田辺さんは毎年春の桜が咲く前に原木にドリルで穴をあけて、そこに椎茸の菌糸を浸み込ませたコマを打っていくそうです。それをこの様に山の細い道の脇に積み上げて寝かせます。すると、原木の中を菌糸が成長してどんどん伸びて行くそうです。

秋の収穫に備えて、写真のようにこま打ちした原木を積み重ねて寝かせています。田辺さんは、少年の様に澄んだ目をしています。

こうして菌糸が原木の中にしっかりと回ったものは、山道の脇に立て掛けます。原木の端を見て白くなっているものは、椎茸の菌糸が十分に伸びている事を示していると田辺さんは教えてくれました。

寝かせた後、木の中に十分に椎茸の菌糸が延びたら、下の写真のように山道脇に立て掛けて、椎茸が出来るのを待ちます。

こうやって原木を立てて置くと、椎茸が成長して顔を出すそうです。しかし、こうして山道に原木を並べて立てて置くとイノシシが踏み台として使ってしまい、せっかくの椎茸を踏みつけたりする事が多くなったとも仰いました。それだけ、山にイノシシの食べ物が減ってきたことを意味しているようです。こういう場合は、里まで原木をトラックで下ろして、ビニールハウスの中に並べて立てて置くそうです。自然の動物の行動も考えながらの農業は、大変だと思いました。
 
札幌で生活していると工場の菌床で作られる椎茸を食べる事が多いのですが、田辺さんの椎茸はそれとは違いとてもいい香りがします。そして、肉厚で焼くとジューシーなのです。

肉厚でおいしそうな椎茸。昨日の晩ご飯の時に田辺さんが、囲炉裏の炭で焼いて食べさせてくれました。美味しかったー!

月曜日の朝から40代、50代のおっさんが二人、こうして山に入りのんびりと山菜採りが出来る・・・・。本当に幸せを感じました。都会で毎日、朝から晩まで会社や職場で忙しく働く男性や女性にも、私達の様にゆっくり出来る時間がしっかりと保障される日本社会に変える必要があると強く感じました。さて、この後は楽しみにしていた餅つきと草もち作りをすることになっているのでした。あー、何といいお休みなんだ。はっはっはっぁ。


農家民宿「はこば」の田辺さんと山に入り、ぜんまいやわらびを採りました。(4月2008 高知県・四万十町)