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無袋梨の収穫の様子。大分県九重町松木地区の吉武農園(9月2007)



9月10(月)の朝、大分県の九重町松木地区にある吉武果樹園で朝食を頂いた後で、孝司さんと一緒に梨園に収穫に行きました。奥さんの喜代子さんは、車で道の駅などに梨を納品に行く予定なので、3人で畑に行きました。
 
この日も良いお天気で、最高気温は30度以上ということでした。日中の暑い時でも畑には蚊が出るので、首周りをタオルで隠しました。

いつもの帽子に吉武さんに貸して頂いたタオルを頭に巻いて準備OKの美奈子店長。やる気です。

吉武さんが育てている梨には、二十世紀や豊水、新高、愛宕などの品種があります。それらは、4ヶ所ある梨園に植えられています。今回私達が行った畑には、主に豊水という品種がありました。豊水でも袋をかけた梨(これを有袋梨と呼ぶそうです。)と袋をかけていない梨(これを無袋と言うそうです。)がありますが、下の写真の梨は、後者に当たります。8月下旬から9月一杯までは豊水の収穫時期のようです。最初にこの梨園を見た時に気付いたことがあります。それは、下の写真の様に雑草を余り刈り取っていないことです。孝司さんに寄りますと、梨の木の下にあまり草がなさ過ぎると、ダニなどの虫が住める場所が少なくて、その分梨の葉を求めていろいろなダニや虫が木に登って来るそうです。そうならない様に、わざと雑草をいくらか残しているようです。

なるべく高い値が付きますようにと願いながら、一つ一つを眺めていました。^^)。この眺めは、梨好きには堪りません。

いよいよ梨の収穫です。まず最初に鋏の使い方や扱い方などを教えてもらいました。梨の収穫は、とても気を使うそうです。というもの梨は、表皮が薄くちょっとした傷が後で大きくなってしまい、色が変わるともう商品価値がなくなるそうです。その為に、軍手を両手にして、爪などで梨が傷つかないように注意して作業するようです。右手には鋏を持って梨の軸を切って木から取ります。そして、その軸も余り長いままだと箱の中で別の梨に突き刺さるかもしれないので、なるべく梨のおへその奥近くで切り取ります。こうして、一個ずつ手作業をしながら収穫して行くのです。梨はどれも大きくて500g前後あるので、10個もカゴに入れると首に掛かった紐が食い込んで痛くなります。重くなると木の下に置いてある黄色い箱に移します。

「なるべく大きな梨を取ってね。」と孝司さんに言われていたのですが、いざやって見ると実際には思ったより小さかったりして、切る時に梨を一方向だけから見ても大きさが分からないことに気が付きました。大きい梨ばかりを収穫することは、思ったよりも難しかったです。

また、梨がぶら下がっている位置は、ちょうど女性が手を上に伸ばした位の高さなので、身長のある男性だと、中腰にならざるをえません。頭の上に張り巡らされている梨の枝に頭が当たるので、段々と腰が疲れて来ます。そして、時々枝が込み合っていない空間を探してそこから上に頭を出すと背が伸びて気持ちいいです。自分の頭だけが梨の木から飛び出している状態です。空の上からからすが見たら可笑しいだろうな想像しました。頭を出した私の目からは、回りは梨の葉と枝が広がって見えます。これでしばし、「ほっ」としてまた収穫を始めました。

本当に優しかった孝司さん。また会いに行きたいです。

こうして、一時間半ほどして後で、みんなで梨の木の下に座って休みました。孝司さんがどれでもいいから、もいで食べなさいと勧めてくれたので、車から持ってきたナイフとトレーを使って梨の皮を剥いてみんなで食べました。常温の梨は、より甘く感じました。サクサクとした食感も心地よく、喉も渇いていたのでちょうどいいおやつでした。
 
収穫した梨は、上の写真にある黄色い箱(コンテナーと言うそうです。)に入れて、梨の木のあちこちにそのまま置いておきます。あとでトラクターを運転して散らばっているこれらの箱を回収するそうです。そしてそれらをトラックに積み替えて、選果場に持って行くまでは、吉武さんの仕事です。選果場では、大きさに分けられて箱詰めにして、主に九州の市場に出荷されるとのことでした。
 
お昼12時には、村中に聞こえるサイレンが鳴りました。これを合図に収穫の作業を終えて、家に戻りました。奥さんの喜代子さんも道の駅への出荷から戻っていて、4人でお昼ごはんを食べました。やっぱり、体を動かした後のご飯はより美味しかったです。今日も初めての農作業の体験が出来て本当に良かったです。


無袋梨の収穫の様子。大分県九重町松木地区の吉武農園(9月2007)