| TOP |  お買い物方法 |  会社案内 | 

ハイブリッド車(プリウス)に乗って良かったのは、自分の考えが大きく変わったことです。



2007年6月下旬、チーズマーケットの配達用にハイブリッド車を導入しました。トヨタ社製のプリウスです。今回はこの車に乗って良かった事についてのお話です。

チーズマーケットでの配達に利用されるハイブリッド車です。1回の給油で1,000km以上走ることが可能です。

これまでに私が乗っていたのは、全て軽四輪車でした。理由は、車の値段が安い事、燃費が良い事、全ての税金が安いことなどです。しかし、ある時ハイブリッド車が軽四輪車よりも大きくて重いのに、燃費がはるかに良いことを知り、自分が今まで乗っていた軽四の意味が揺らぎました。それから1ヶ月いろいろな車を見たり、調べたりして、この車を買うことに決めました。
 
乗ってみて私の考え方や行動がこれまでと比べて、大きく変わりました。それは、まず余りスピードを出さなくなったことです。そして、車間距離を長く空ける様になりました。この二つで事故を起す確率がとても低くなったと思います。以前の私なら、警察がスピード違反を取り締まるレーダーを感知する機械を車に付けては、出来る限りスピードを出して速く目的地に着くことばかりを考えていました。でも、この車のお陰で、そういう自分を変える事が出来たのです! では、どうして変えられたのかと考えると、車の燃費が気になるようになったのが大きいです。そしてこの車には、燃費が気になる「面白い仕組み」があったのです。実に良くできた車だったのです。

プリウスのモニター。地図やTVも同じ画面で見ることが出来ます。

それは、上の写真のように運転席の左側(車の中央)にモニターがあり、この画面から実際に今どれほどのガソリンを使っているのかが見える様になっているのです。それを拡大したのが下の写真で、右下に見える「リセット」という文字の上にある「瞬間燃費」というのがそれです。この写真は車が停止している時に写したものなので、0(ゼロ)になっていますが、運転している時にはその走り方に応じて、棒グラフが伸びたり縮んだりします。そして、5分毎に燃費の平均値が棒グラフで残り、その下には、今までの走行距離とその燃費も表示されます。(この時点では、走行距離410kmで、燃費が25.2kmです。)こうした燃費に関する様々な情報をリアルタイムで確認できると、もっと良い結果を出したいという欲求が湧いてきます。燃費を上げる為にどういう風に運転すればよいのかと考えて工夫する様になります。そして、今まで以上にアクセルの踏み加減や発進・停止の仕方にも気を配るようになったのです。それはまるでゲーム感覚のような楽しい運転なのです。もはや回りの車が私を追い越しても気にならなくなりました。自分の運転技術を上げようと夢中になれるのです。

燃費とエネルギーをどれ位回収出来たかを示すモニターです。緑の葉っぱの枚数の意味は、減速時の運動エネルギーを回収して、どれだけ多くの電気エネルギーに変換出来たのかを示しています。

また、下の写真のように別の表示もあります。これは、「エネルギーモニター」と言って、今この車がガソリンと電気のどちらのエネルギーを使って走っているのかを図で教えてくれます。減速時などでアクセルを戻した時は惰性で走っているので、「ガソリンも電気も使っていません。」という表示になります。そして、そうした惰性で走っている時に、この車は素晴らしいことをやってくれるのです。それは、車の運動エネルギーを搭載した発電機に伝えて、電気エネルギーに変換して蓄えるのです。そして、この新たに生まれた電気を使って発進するので、その分ガソリンを消費することが少なくなるのです。

エネルギーモニターです。リアルタイムで電気とガソリンの使用の有無や割合、瞬間燃費の大きさが分かります。

これまで乗っていた軽四輪自動車の時には、スピードメーターしか見なかった私が、これに乗ってからは、燃費モニターにも目が行くようになり、運転する時に新たな楽しみが増えたのでした。その結果、私の価値観は大きく変わりました!以前の私なら、車に乗ると誰よりも速く走る事が、とても得をしたかのように、常に時間に焦っているかの様な落ち着きの無い運転でした。でも今は、「お先にどうぞ!」という気持ちに変化しました。他人に追い越されても、何とも思わなくなりました。「こっちは遅いけど、燃費はいいのよ。」と逆にアピールしたいような気分です。この事で、いつでもマイペースを維持することが出来て、いつでも安全に止まれる様なスピードで走るようになりました。車間距離を長くするようになったのも、停まる前に出来るだけ運動エネルギーを無駄にしないで、それを多く充電したいと思うからなのです。^^)

そして、さらにこう思うようにもなりました。車のカタログには、燃費36km/Lなんて書かれていますが、買った人の誰もがその燃費を得られる訳ではなくて、乗った人それぞれの努力というか運転のやり方次第で大きな差が出るのだと分かったのです。冷静に考えれば当たり前の話なのですが、以前の私なら「客だ!」という意識が強く、自分が何も努力をしないくせに、カタログ通りの良い結果をメーカーに求めていたのです。無理な追い越しをしてでも一番速く走りたいと思う以前の私の様な愚か者が、せっかくハイブリッド車に乗ってもガソリンを節約することは出来なかったと思います。つまり、「何事も自分を向上させていかないといい結果を手に入れられない。」という真理をこの車が私に教えてくれました。「もしも、物事が悪い方向に行くのなら、その原因は自分以外の他にあるのではなくて、正に自分の中にあると分かりました。だから人のせいにしてはいけない。」そういう考え方が出来るようになりました。こうして2ヶ月経った今では、如何にして燃費を向上させるのかという運転テクニックも身に付いてきました。急加速と急ブレーキをしないことです。急な割り込みの車が現れても、急に赤信号に変わっても、慌てずにゆっくりと停まれる様に常に車間距離を長めにしていることが大事だと分かりました。燃費をあげるコツ、それは「徐々にスピードを上げるような発進をして、徐々に減速をして長く充電しながら緩やかに停止する。」ということなんだと思います。

燃費が常に見えるハイブリッド車に乗ることで、私はやっと「安全に運転するとはどうすることか?」ということが身に付いた気がします。その為にもいつでもどこでも周りの車に影響を受けない強い平常心を持つことが大事だと知りました。「速く走ることだけが車の目標じゃない。」新たな価値観と言うか目標、そうです「高燃費を目指す。」という目標を持てた今の私は、もう誰にも影響を受けない運転が出来るようになりました。「ゆっくり走ることは何もマイナスではない!」・・・新しい価値観が自分の中に生まれたことが本当に良かったと思います。これから先、また軽四輪車などの別の車に乗ったとしても、私はこの運転方法を続けて行けると思います。安全運転をするには具体的にどうしたらいいのか?ということに気付かせてくれたこのハイブリッド車と開発した技術者に感謝したいと思います。物作りは、日本が世界に誇れる長所だと思います。


ハイブリッド車(プリウス)に乗って良かったのは、自分の考えが大きく変わったことです。