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ロシュバロンとモンブリアックという2つのブルーチーズ

モンブリアックの表のラベル ロシュバロンの表のラベル

 
正解は、「どちらも同じチーズ」です。このチーズのメーカーのCEE番号(認証工場番号)は、F43.025.01 でどちらも同じバックラベルが付いています。
モンブリアックのCEEナンバー ロシュバロンのCEEナンバー
 
では、どうしてわざわざ同じチーズを違う名前にするのか?その理由を私は直接聞いた事がないのでわかりません。
 
チーズマーケットを始めた頃は、このチーズの名前は、「モンブリアック」でした。ところがもう3、4年前ぐらい前のある時、取り引きしていたフランスのチーズ問屋さんから、「もうモンブリアックは作っていない。」と云われました。「でも、ロッシュバロンというチーズは同じメーカーである。」というのです。変だなぁと思いました。その当時からもこのチーズは、チーズマーケットでも人気がありました。カマンベールみたいに柔らかく、比較的塩分の少ないブルーチーズだったので、名前が違ってもいいとOKを出して、そのロッシュバロンを輸入したのでした。そしてこの10月にロッシュバロンを注文した時に別のチーズの問屋さんが、「ロシュバロンは無いけれど、モンブリアックならある。」と言ってきたのでした。この時、「あっ、」と思い出しました。きっと同じものを別々のところで売っていると不都合な事があるので、プライベート商品のように取引先毎にメーカー側で違うラベルを貼って出荷しているだけなんだと。そういえば、ある事を思い出しました。2年前にサヴォアのルブロッションというチーズの工場を訪問した時、そこには2種類なんてものではなくて、数十種類のルブロッション用の包装紙が置いてあり驚きました。それらは、例えばスーパーのカルフールに出荷する為のものや別のスーパーに出すためのシール、そしてランジス市場へ送る用と使い分けていたのでした。また、自国内ので流通分と輸出用にラベルや名前を変える事もチーズに限らずワインなどでもよくあります。

モンブリアックのバックラベル。フランス語とドイツ語の表示があります。 ロシュバロンのバックラベル。フランス語とドイツ語、それに英語とデンマーク語の表示でした。

つまりこういうことだと思います。中身のチーズは同じルブロッションだったのですが、各小売店の値段もそれぞれに違うので差が出ます。同じものが、「どこどこでは幾らだった」とかということになると不要な低価格競争が生まれます。そういったことを防いだり、「うちのスーパーマーケットでは、他では売っていないチーズばかりを置いています。」という言い訳の為もあるのかも知れません。現代では、それぞれに違う包装紙やラベル、そして今回のモンブリアックとロッシュバロンのようにチーズの名前すらも変えて、表向きのチーズ多様性を増して流通させていることがあるのです。
 
現在、チーズマーケットでは、このチーズのことをロッシュバロンと呼んでおります。これからもずっとそう呼び続けていきます。
 


ロシュバロンとモンブリアックという2つのブルーチーズ