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タオルミーナの八百屋さんの計り売りはサービス満点 (シチリア島)



10月15日の朝、タオルミーナの朝市に出かけました。このメルカート(朝市)は、常設の屋根付きの広場になっていて、10軒ほどのお店が出ていました。


日本人か?と聞かれ、はいと答えたら、ポーズをとってくれました。

ご夫婦で八百屋さんと営んでいる店の前に来ました。トマトもマスカットのようなブドウも1キロで1ユーロぐらいです。おばさんから紙袋をもらい、トマトを何個か入れて渡すと、上皿天秤にトマトを載せました。重さを量ろうと分銅を一個載せました。でも、全然釣合っていませんが、おばさんの頭の中では、金額がぱっとひらめいたようです。

全ての商品の重さは、この上皿天秤で量ります。

次にミニサイズの洋ナシが入った紙袋を見たおじさんが、これっぽちでいいのか?と聞いてきます。3、4個じゃ軽すぎて量れないようです。あわてて5個ほど追加しました。よく見るとおじさんが持っている分銅は、1キロと500gの2種類しかないではありませんか。最小が500gなのです。「これっぽちでいいのか?」と聞いたわけが分かりました。

これもキロ138円です。

この店で買ったトマトもみなとても美味しかったです。他にも数軒八百屋さんがありましたが、このご夫婦の店は特に繁盛していました。余りにサービス満点なので、やっていけるのかと心配になりました。しかし、この店をひいきにするお客さんが十分にいらっしゃるのだと思いました。日本の一部の消費者のようにチラシの値段でいろいろな店を渡り歩く一見さんは、ことメルカートで買い物をする消費者にはいない気がします。買い物は何を買うかよりも誰から買うかの方が重要だと私も思います。

いろいろな国の朝市を見てきた私の買い物方法は、以前とは大きく変わりました。今、私にはお気に入りの果物屋さんとパン屋さんがあります。このご夫婦のように決まった人がいつもいる店というのは、お客さんに安心感を与えると思います。私にとっては、値段よりも美味しいことが重要です。そして、何よりもその店の人とのあいさつや会話が心地いいのです。スーパーではなるべく買わないようにしていますが、決まった店で買うことが多いです。「一ヶ所で・早くて・安くて・少量で・買える」といった事ばかり考えている人には、こうした朝市での人間同士のふれ合いを楽しむゆとりは無いような気がします。「チーズマーケットに来ると、何だか楽しいんだわ。」とか、「山本知史が売っているから安心だ。」と、もっともっと言われるように努力しようと思います。(でも不特定多数のお客をどんどん増やしたいなんて思っていません。一見さんには最低限のサービスをして、いつものお客さんにはより厚いサービスをします。チーズマーケットを維持できるだけのお得意さんがいて、その方に感動してもうことが目的で店をやっているのです。)その為にも私自身がさらにチーズマーケットの仕事を楽しもうと思います。そしてお得意さん達と共に残り20年ほどの時代を一緒に生きて、歳をとっていけたら・・・。あぁ、何と素晴らしいことでしょうか。



タオルミーナの八百屋さんの計り売りはサービス満点 (シチリア島)