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見知らぬ村でオリーブオイルの生産者や輸出者をどう探せばいいのか?(サルデーニャ島 2月2008)



今回のサルディーニャ島の旅では、新しいオリーブオイルの取引先を探そうという目的がありました。しかし、出来ることなら出回っている大きな工場製のオリーブオイルではないのはもちろん買いません。地元でオリーブオイルを生産する会社をも飛び越えて、よりオリーブを栽培する農家さんや農家さんに近い人から輸入したいと考えていました。そうすることで、オリーブの出処もより明らかになるので、私達もより安心できることにつながるからです。こうしたオリーブオイルを私達にお客さんに提供したいと思います。

では、そういう人を初めての見知らぬ異国の土地で、一体どうやって探せばいいのでしょうか?今回は、とても小さな村なので、旅行者が旅の地図や情報を手に入れるツーリスト・インフォメーションという施設もありません。イタリア語だって、私は少ししかしゃべれなくて・・・・。車から見える風景から考えると、確かにこの村にはオリーブの木がたくさんあるから、オリーブオイルも作っているはずです。現在の情報はこれだけなのです。

オリーブの木に話しかけても、誰から買えばいいのか答えてくれません。この木は、何百年もの樹齢だそうです。

最初に浮かんだアイデアは、下の写真のようなアグリツーリズモの看板を探して、そこでオリーブオイルを作っているかどうかを訪ねる方法です。アグリツーリズモは、農家の方が旅行者にB&B(ベットと朝食)を格安で提供している宿なので、自分でオリーブオイルを作っているかもしれませんし、同じ農業をしている人を紹介してくれるかもしれません。私達が泊まったアグリツーリズモのピアランナさんも美味しいオリーブオイルを生産していました。

アグリツーリズモなら農家が営む宿なので、何かの手掛かりが得られるはずです。

次に浮かんだアイデアは、村にあるスーパーマーケットに行って、そこで地元産のオリーブオイルを作っている会社や農家を訪ねるという方法でした。さっそくCONADというスーパーのチェーン店に行き、レジに立つ女性に聞き込み調査をしました。まるで探偵の様です。^^)こういうことをする勇気さえあれば、イタリア語を話す機会も得られ、少しずつ上達していくと思います。正に本番ですから、一字一句聞き逃さないように耳も普段より大きくして聞いています。しかし、・・・・。結果は思わしくありませんでした。誰も知らないという答えでした。後で考えて分かりましたが、スーパーで働く人は、店が地元にあっても、扱っている商品が地元とは全く関係のない土地で作られたもなので、地元の食料品を生産する人たちとの繋がりは皆無なのです。この日以来、私達たちは、スーパーでの聞き込みを止めました。

では、私達はどうしたのでしょうか? そうです、地元の食料品を扱っている店を探したのです。肉屋さんや魚屋さんよりも、パン屋さん。うーん、でも八百屋さんの方がより情報を持っているかな? いややっぱり食料品専門店がいい。そうやって頭の中でターゲットを絞り込みました。そして、見つけたのが、下の写真のようにアイスクリームの青い看板で見つけた個人経営の小さな食料品店さんです。ここにに決めました。中に入り私達がオリーブオイルを求めていることを話しました。「この村で誰か美味しいオリーブオイルを作っていて、それを日本に輸出してくれる人を知りませんか?」と。

小さな村では、こうした食料品店や新聞や雑誌などを売る店もいろいろな人の出入りがあって村の情報を持っています。

すると、店主のジョルジョさんが、うちでもオリーブオイルを作っているというのです。意外な展開です。それはちょうどいい!さっそく、味見をさせてもらいました。その為にあるといいパンは、朝食の残りのパンを袋に入れて持って来ていました。さっそく、レジ台の上で試食会です。「好きか嫌いか。美味しいか美味しくないか。」答えはすぐに出さなければなりません。後でいろいろな条件を合わせてと考えると正当な評価を下せなくなるからです。これは、私達にお客さんの要望に近い味のオリーブオイルだとピンと来ました。これならもちろん私も使いたいオリーブオイルです。

ジョルジョさんは、小さな食料品店を営み、家族は農業もしているそうです。

品種や値段を聞きました。そして、オーガニックかどうかも確認しました。この品質でこの値段なら私達のお客さんにも喜んでもらえるのはないかと思いました。旅の途中なのでたくさんは持っていけないので、1リットルだけ買って行く事にしました。ここで、あの湯たんぽ代わりに使っていたペットボトルを差し出して、それに入れてもらいました。札幌に帰ってからいろいろな飲食店のお客さんに試してもらう為です。最後にお互いの連絡先を確認して、日本に帰ってから連絡すると約束しました。後でメールに写真を付けて送りました。
 
旅に出たらこうして地元の人の中に積極的に飛び込んでいくと、新しい道が開けると思いました。オリーブの木に話しかけても何も答えてくれませんが、人間なら必ず何かの答えをくれます。”困ったときには立ち止まり、じっくりと考えます。それでも答えが分からなかったら、誰かに聞いてみる。”この精神さえあれば、どんな国でも旅をすることが出来ると思います。今回の旅の経験から、また一つ自分が磨かれた様な気持ちが湧いてきました。そして、自分でやれることもまた増えました。見知らぬ人と出会う旅は、本当に素晴らしい!


見知らぬ村でオリーブオイルの生産者や輸出者をどう探せばいいのか?(サルデーニャ島 2月2008)