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赤ちゃんチーズ・モンドールを包むものがこの樹皮

今回は、モンドールを包む樹皮のお話です。どんな木の樹皮を使っているのでしょう。また、それをチーズに巻くための工夫もご紹介します。



木箱を取るとモンドールの全体が見えてきます。

左下の写真のようにモンドールに巻く樹皮は、このように束ねて保管してあります。とても硬いです。モンドールを作り始める8月前に森に入り、エピセアとう名前の樅の木を使うそうです。この樹皮をたくさん切って準備しておくようです。(詳しくは、次回以降にお知らせします。)樅の木には、サパンという名前のものもありますが、これはモンドールには使わないそうです。理由は、サパンを使うとモンドールが肌色にならずに、赤っぽくなってしまうからだそうです。エピセアとサパンを見分けるのはフランス人でも難しいようで、これは私達が日本の松の種類にもいろいろあって、その全てを区別できる人が少ないことに似ています。いろいろな人に、実際にある木を指差して、この2つの違いを伺いましたが、みな答えがバラバラで結局確かな見分け方は分からなかったです。その後、町の本屋さんで植物図鑑も見ましたが、・・・。分かりません でした。さて話を戻しますと、右の写真のようにこの樹皮は、幅4センチ、長さ60センチほど、厚みは乾燥時は1ミリぐらいでしょうか?


束になったエピセアの樹皮 このままでは、とても硬いです


このままでは硬くて使えないので、熱湯にしばらく漬けてふやかします。数10分煮る事もあります。これは、樹皮に付いた虫の卵や微生物を死滅させ、チーズに付かないようにするためです。バケツの色は、見る見るうちに茶色に染まりました。それと同時に松ヤニの様なメンソールのような芳香族のいい香りがしてきました。まさに木の香りです。

 

あたり一面、木の香りがします。うーん、香ばしい・・。 水切りシンクです。


水気を切り取り出すと、すっかり紙テープのように柔らかになっています。モンドールには、500gのものから800gそして3キロのサイズなどがあります。その大きさに合った長さに切り揃え、輪ゴムも消毒して用意します。


すっかり柔らかくなったモンドールの樹皮 これで準備OKです

こうしてモンドールに巻く樹皮の準備が完成したのでした。この香り高いエピセアの樹皮を巻くことで、モンドールにいい香りがついて、よりおいしいチーズに仕上がっているのだと思いました。



赤ちゃんモンドールに巻かれたエピセアの樹皮


赤ちゃんチーズ・モンドールを包むものがこの樹皮