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陳列されたチーズが劣化する原因と理由



ブリー・ド・モーjpg


これが私たちチーズマーケットの店頭で陳列されているチーズです。
名前をブリー・ド・モーAOCといいます。今回は、チーズマーケットでは
なぜチーズをあまり陳列したがらないのかの理由がテーマです。

では、まず次の写真をご覧下さい。

陳列が終わるとブリー・ド・モーのラップをはがします。


チーズマーケットに限らずどこのチーズコーナーやチーズ店でも、チーズを
陳列する時には、お客様がそのチーズを見られるようにラップでの包装が常
識です。チーズマーケットでも上の写真のようにラップを使います。しかし、
下の写真のとおり、そのラップを外して見るとブリーの表面には、結露した
水滴(直径数ミリ)がついていることがあるのです。たった一日でもです。
これが陳列しているチーズが劣化している原因なのです。

表面についた直径数ミリの水滴、見逃しません。


もしもこのままラップ包装を何日も続けたままで陳列しますと、ラップの
内側に溜まった水滴のところからチーズが濡れてふやけてしまい、徐々に
中まで浸透していきます。そしてそこから新たなカビや菌が増えていき、
変色や悪臭が発生します。そうです、腐敗が始まるのです。そして、徐々
にそのチーズの本来の味が損なわれていくのです。つまり、みなさんもす
るラップでの長時間包装そのものが非常識な行為なのです。



ブリー・ド・モーをやさしく拭きます。

ですからチーズのこうした劣化を未然に防ぐには、陳列しないで、
セラーの中にチーズペーパーで包んで寝かせておくのが
一番なのです。こういう理由でチーズマーケットでは、週2日の
営業日以外は陳列しないのです。いや、したくないのです。また、
ラップもなるべく使わないようにしているのです。そして、どうし
ても陳列しなくてはならない営業日には、ラップ包装をしますが、
ある工夫をしているのです。それは、・・・。

ラップの内側に水滴が出ないように小まめに(最低一日一回)ラッ
プを取替えたり、あるいは濡れてしまってもすぐに表面をペーパー
でやさしく拭き取る作業を毎日1、2回は行っているのです。こう
した作業を全てのチーズ(常時200種類在庫)にすることがどれ
ほど大変なことかがお分かり頂けると思います。ただチーズを輸入
して、楽してそのまま売っている訳ではないのです。(ちょっと宣伝。)

だから、私たちチーズマーケットでは、陳列をしたくないですし、
いつも注文を受けてからカットしてお売りしているのです。


陳列されたチーズが劣化する原因と理由