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オーガニックのマンゴー畑と農薬(除草剤)を使っている畑との違い。オーストラリア2008



今回のドライマンゴーを仕入れるに当たり、オーストラリアのクインズランド州内を1,200kmほど走っていろいろな規模の農園を歩きました。今回はその中で目にした畑の様子の違いについてのお話です。
  
では、さっそく下の2枚の写真をどうぞ。左側のマンゴー畑は、今回チーズマーケットで輸入することにしたアルフィアさんのところです。そして、右側のマンゴー畑は、別の人のマンゴー畑です。この両者の違いは、一体何でしょうか?

アルフィアさんのマンゴー畑。商売様とは思えないほど手入れをしていません。^^)でも、安心できるなぁー、この光景は。 「稼いでます。」といった現役バリバリのよく管理されたマンゴー畑。でも農薬の量が心配です。

いろいろあると思いますが私が気が付いたのは、木の下の雑草の生え方です。左の畑は、草ぼうぼうでが、右の畑では、雑草はほとんどありません。また、手入れの度合いも違うと思います。左のは枝の剪定などが行なわれていない結果、木の背丈がとても高くなってしまいました。マンゴーの実を収穫するには、梯子に登ったりする必要がありそうです。一方、右のマンゴーの木は、高さがどれも剪定されて低い位置で揃っています。枝ぶりも管理されていて、収穫も楽そうです。
  
また、下の写真はアルフィアさんのマンゴーの木の下を写したものです。何とサボテンまで生えています。うーん、これは明らかに自宅用のマンゴー畑だと思われます。マンゴーをたくさん実らせて、これで生計を立てるといった緊張感?はありません。^^)趣味の世界と言った感じです。でも、こんなマンゴー畑なら何だか安心できるとも感じました。

雑草はあるしサボテンや見知らぬ花も咲いているマンゴーの木の下でした。

また、下の2枚の写真もどうぞ。木の下に落ちていた鳥などの動物の食べ残しのマンゴーです。その違いは何でしょうか?明らかに左のマンゴーの方がよく食べられています。右のマンゴーはまだ青くて美味しくないという理由もあるとは思いますが、これらのマンゴーの他の食べ残しも観察しましたが、やはりアルフィアさんのマンゴー畑の方が鳥達には人気で、食べ残しが少なかったです。
  
この話を馬を飼っている知り合いに話したところ、そうかもしれないと言って、こんな話をしてくれました。オーガニックの人参と普通に売られている人参をあげたところ、やっぱりオーガニックの人参ばかりを食べたというのです。そして、とうとういつまでも食べずに残したのは、アメリカ産のりんごだったそうです。ポストハーベストがすごかったのでしょうか。「やっぱり動物は、人間以上に危険を察知しているようだ。」とおっしゃった言葉が印象的でした。

アルフィアさんのマンゴー。奇麗に食べられています。 ちょっと食べて止めたようなマンゴー。無言のメッセージの様に見えます。

農家が農薬を使う最大の理由は、収穫量を上げることです。また、農薬を使わないと全ての農作物が駄目になるので、それを防ぐ為に使っている場合もあるでしょう。でも、農薬はタダではありませんので、農薬代を上回る収穫量が無いと意味がありません。「日本の農業では、耕作地の土地に植物を生育させる力が残っていないので、化学肥料を撒いて成長する数段階で、農薬を撒いて細菌や虫などから守ってやらないと何も実らない。」というショッキングな話も聞いたことがあります。
  
一方で、こういう農家がいらっしゃる事も知りました。それは、「共に年金生活者だから。」と言っていたマリアさんご夫妻です。マリアさんは、「農薬を買ってその分マンゴーがたくさん実り、たくさん売れば収入が増えてしまい、年金額が減らされるのよ。だからもう私達は農薬を使わないんだよ。」と笑っていました。もちろん彼らからもドライマンゴーを買いました。^^)いろいろな理由からこうして農薬を使わない農家がいる事を知ったのはよかったです。私は、全ての農薬が悪いとは決して思っていません。問題なのは、今食べようとしている野菜や果物に農薬が残留していることです。農薬を0にする事は不可能だと思うので、低農薬や無農薬を心がけている農家、或いは残留しにくい農薬の使い方をしている農家を消費者が自分で探し、彼らから直接買い求めるのが身を守る上でも必要だと思いました。今年(2008)も日本各地の農家を訪ねて、素晴らしい人達を紹介していきたいと思います。


オーガニックのマンゴー畑と農薬(除草剤)を使っている畑との違い。オーストラリア2008