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オーガニック・ドライバナナの作り方(オーストラリア・Mt.Molleyのバナナ農家)2008



今回の話題は、ドライバナナの作り方です。3月中旬(2008)にオーストラリアの熱帯雨林気候に属する地域のクインズランド州に行きました。ケアンズの北にある港町ポートダグラスから山側に車で20分ほど走ると、Mt.Molleyという町があります。この町のさらに奥まった森の中でバナナを栽培する農家、ハイケさんとご主人のマルセルさんを訪ねました。今回は、この農家からオーガニックのドライバナナを買って日本に持ち帰る予定です。そのドライバナナの作りを見せて欲しいとお願いしたところ、その様子を工程通りにやって見せてくれました。
  
まず、ドライバナナにする原材料のバナナの様子です。下の写真のように完熟したものを使っています 。ハイケさんのところでは、日本でもおなじみの品種、キャベンディッシュ種と下の写真の様に少し小さめのバナナ、シュガーバナナを使っています。加工室に入った時にバナナのとても甘いいい香りがしたのは、ここからだったのですね。

完熟してバナナのうまみが出たものをドライにします。

まず、始めにステンレスの作業台を掃除します。この台の上でバナナを切ったり並べたりします。実はこの作業室、大きなキャンピングカーを改造して庭に設置してあるのです。窓もあり採光もOK。そして、気密性が高いのでお役所も作業所として太鼓判を押してくれたそうです。タイヤは取ったので走りませんが、外見は正にキャンピングカーでした。

清掃には、化学繊維の布巾なども使いません。ハイケさんのは、木綿の布巾でした。

さて、次に乾燥機の中にある網を水洗いします。オーガニックの食品として認められるには、原材料が無農薬であることはもちろんですが、このように食品を加工する時に使う道具の洗浄に際しても、化学洗剤や化学繊維の布巾などの使用は認められません。天然素材のたわしや木綿の布巾、そして水で洗うことが重要なのです。

乾燥機の中の網も水洗いだけです。洗剤が混入することはありません。

次にまな板です。これを洗う時も合成洗剤などは一切使いません。そうかー、オーガニック食品てここまで厳しい規定があるんだと、改めてその規定の厳しさに驚きました。確かにせっかくの無農薬のフルーツであっても、それを切るナイフだとかまな板に合成洗剤が残っていたら意味がないのです。私も普段の生活で選び抜いた食品を食べていますが、化繊のスポンジに合成洗剤をたっぷりとつけて、フライパンなどを洗っていることを反省しました。これじゃ、健康に気を使っていますとは言えない気がします。

まな板も同様に布と手で擦ってしっかりと洗浄します。

さて、いよいよバナナのカットです。バナナは縦に3等分するように切ります。あっ、このナイフも水で洗っただけです。バナナしか切らない専用のナイフなのです。バナナから出るあくの様なもので所々黒ずんでいますが、とても綺麗なのです。

バナナをナイフで切ります。全てがハイケさんの手作業で行なわれます。

切ったバナナは、乾燥機の網の上に並べます。こうして、網が一杯になったら、乾燥機に入れて温度と時間を設定すればOKです。

これが電気式の乾燥機です。家庭用の小さなものを使っています。

こうして24時間後には、しっかりと乾燥したドライバナナの完成です。乾燥の方法は、摂氏60度の熱風を当てることで行ないます。油で揚げたりはしないのです。

誰がどの様に作っているか?それが分かるものを選んで食べる事が大事だと思います。私たちは、同じものを大量に売っている出処が不明な食品を買うことはありません。

出来たドライバナナは近隣の町のイタリアンの食料品店やケアンズのあのニールさんのオーガニック食品専門店などに卸しているそうです。スイスからこのオーストラリアに農業をやりたくて移住して来たご夫婦。3人の可愛い子供達と一緒に夢だった農業をして暮らしています。やっぱり自分の足と目で実際に現地に行って見ることはとても大事だと思いました。ハイケさん、在庫が無くなったら、また買いに来ますね。

シュガーバナナをドライにしました。一般的に出回っているキャベンディッシュ種とは甘みが濃厚で酸味が少な目です。

次回の通販時に、こちらのシュガーバナナで作ったドライバナナをご希望の方は、注文時におっしゃって下されば、お届けします。また、店頭ではいつでも買うことが出来ます。(残り4kg弱ですが・・・。)


オーガニック・ドライバナナの作り方(オーストラリア・Mt.Molleyのバナナ農家)2008