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イタリアで食べる柿は日本の柿と同じ味がするか?



日本独自の果物だと思っていた柿。2年前にイタリアにもあることを知り、とても驚きました。発音も”カキ”と同じです。今回、シチリア島へ行った時(10月、2005)にカキが生っているのを見ました。さっそく車から降りて、畑へとやってきました。農作業をしていたおじさんに片言のイタリア語で写真を撮らせて欲しいとお願いしました。帰りがけに「これ持ってけ。」と柿を5,6個ほど木からもぎ取ってくれました。遠くから柿の木を見ると日本の柿と同じように見えましたが実際はかなり違いました。


パレルモ郊外にある柿畑。熟熟の柿がたくさん生っています。

手にとって見るとそれは明らかでした下の2枚の写真をご覧下さい。左がイタリアの柿、右側が日本の富有柿です。何だか様子が違いますね。如何ですか?(もちろん、柿の品種は違うとは思います。)


イタリアの柿。これが彼ら流の食べ頃の柿のようです。押すと簡単に指が入ります。日本でおなじみの富有柿。私も毎日食べています。

うーん、このおじさんがくれた柿は日本では売っていません。と言いますか、ここまで熟した柿は日本人はだれも食べないからです。貰った私達は困りました。持っていると皮が割れて、柿の汁が手に流れてくるほど柔らかいのです。柿が手で2つに割れるのは初めての経験でした。食べると”甘ーーい”の一言です。干し柿のような甘さでとても柔らかいといった風味です。片や日本の富有柿は、甘さほどほどでサクッとした食感が心地いいのですが、このイタリアの柿には、サクッというのではなく、だらーと汁が垂れてきます。


別の町の八百屋さんでも柿が売っているのを見ましたが、同じように熟した、いや熟しすぎたような柿でした。日本では売れ残って半額にされたような柿なのです。イタリアと日本との食文化の違いを大いに感じた一日となりました。



でもここで疑問が沸いてきました。なぜイタリア人はここまで柿を熟してからしか食べないのでしょうか? イタリアのこの柿は、富有柿と違って実が硬いうちに収穫すると渋くて食べられない品種、いわゆる渋柿の一種なのでしょうか? それで仕方なく甘くなるまで木で熟しているのでしょうか? 或いは料理に砂糖を一切使わないのがイタリア料理。その為に彼らのドルチェやコーヒーはとても甘いのですが、そうした食生活と同じく、柿も十分に甘くしてからでないと食べる意味がないということなのでしょうか? カストロノーヴォ・ディ・シチリア村のある農家に食事に招かれた時にも、同じく熟した柿が出てきました。食後に奥様が、柿の入ったかごを持ってきて、「今朝取って来たのよ。取れたてでとても美味しいわよ。」と本当にニコニコしながら勧めてきました。でも私達は、「もう、お腹が一杯で食べられない。」と丁寧にお断りしました。「この柿の甘さに耐えられる日本人はほとんどいないのでは?」とお互いに顔を見合わせ、思わず笑ってしまうほどの強烈な甘みなのです。うーんしかし、こうした事を次回はきちんとイタリア語で質問し、その答えを聞き取れるように勉強を続けたいと思いました。動機があると勉強をとても捗ります。そしてこの答えは、来年以降のイタリア訪問の後にお伝えしたいと思います。



イタリアで食べる柿は日本の柿と同じ味がするか?