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パルミジャーノレッジャーノの牛が食べるもの



6回目の今日は、パルミジャーノレッジャーノの原料になる牛乳を出す牛さんのえさについてのお話です。楽しんでいただければ幸いです。


写真の左は、ロールになった干草です。牧場の周りには餌になる牧草がたくさん育っています。右は餌を待つ牛さん。真ん丸い大きな目を見ていると何でも言うことを聞いてあげたくなります。与えられている干草は発酵しているので、とてもいい香りがします。葡萄の搾りかすの様な香りでした。そのまま食べられるよと牧場主の方は笑っておっしゃいました。確かに食欲が沸きそうな香りです。

パルミジャーノレッジャーノの牛さんたちの餌となる干草。若い干草は緑色で、畳のような香りがします。人の気配があると餌をくれるのかなぁと寄ってくる牛さん。



下の写真は、こうした干草の拡大図です。人間も食べるアルファルファー(Lucern;ルーサンとも呼ばれます。)や数種類の草があるそうです。人間もタンパク質や炭水化物、脂肪などいろいろな栄養素が必要なのと同じで、草によって栄養素に違いがあるのでバランスよく食べることが大切だからです。牛たちも炭水化物を多く含む牧草や蛋白質が多い牧草などいろいろな牧草が必要なのです。

牧草です。アルファルファーという植物で、葉が広いですね。こちらは牧草らしいいかにも単子葉類という植物です。



また、時にはとうもろこしも食べます。下の左の写真はとうもろこしの実の部分ですが、人間が食べない草の部分も食べるそうです。また、牛舎の中には、岩塩がバケツにいれて何個か置かれていました。人も動物も塩は生きるために必要なんですね。
 

ノズルでコーンを吸い上げます。塩をなめようとする牛さんの鼻が見えます。



生まれて数日間は、草を食べることができないのでミルクで育てられますが、その後は草に切り替わります。この子牛は生後3週間ぐらいなので、大人の牛と同じような食事内容でした。うしさんは小さい頃は警戒心が強く、よく動いくのでなかなかピントが合いませんでしたが、この子はじっと待っていてくれました。どうもありがとう。

ブランスイス種の子牛。



下の写真は、このパルミジャーノレッジャーノの牧場と工場近くの牧草地です。画面の左側にパルミジャーノレッジャーノの工場があり、画面と反対側が牧場です。場所はモデナの少しだけ郊外のところですが、この牛さんたちはいい環境で育っているなぁーと感じました。そして高い理想を持つ人達がこの良い自然環境を生かした有機農法に取り組み、高品質のパルミジャーノレッジャーノが実現したのです。彼らのパルミジャーノレッジャーノに出会えて本当に私達は幸せだと思いました。また、私達がこのチーズマーケットという仕事が出来たこと自体がとても不思議で、まるで神様がいらっしゃるといいますか、ある運命に突き進まされてやって来たのでは?と感じることが多くなりました。大げさかも知れませんが、「チーズの本質をより多くに人に紹介していきなさい。それがあなたの使命(Mission)ですよ。」と告げられている気がします。それを実行できる様に私達に必要な人物に出会えているとも感じています。そうした人達とのつながりを大切にし、その出会いを生かして、これからも感謝して働きながらいろいろなことをお伝えして参りたいと思います。

パルミジャーノレッジャーノの牛に与える為の牧草地。雨も多く温暖でよく育ちます。





・第1話;「パルミジャーノレッジャーノの外形をぐるっと紹介します。」 


・第2話;「パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その1」


・第3話;「パルミジャーノレッジャーノの表面にあるスタンプや焼印 その2」


・第4話;「いろいろなパルミジャーノレッジャーノ。えっ? 」


・第5話;「パルミジャーノレッジャーノになれなかったチーズの保管棚 」

 

パルミジャーノレッジャーノの牛が食べるもの