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グリュイエール・アルパージュ (スイス)チーズの表面には、この様なラベルや刻印があります。



今回は、スイスのチーズ、グリュイエール・アルパージュ の表面の様子を写真でご紹介します。一体どんな大きさ? 色は? 切り口の様子は?などの疑問にもお答え出来ると思います。

こうした大きなチーズはピアノ線で切ります。

グリュイエール・アルパージュは、スイスの西部の地方で作られています。上の写真は、1ホールを2つに切った時の様子です。フランスを代表する大きなチーズのコンテよりも厚みがあります。このチーズの場合、厚みは約10cmでした。直径は約60cmでこのチーズの場合、総重量が33kgあります。
 
下の写真は、このチーズに付いていたラベルの一つです。一体何処でどう作られ、出荷元は誰なのか?などについて書かれています。「Fromage Gruyere SA」という会社が出荷していて、BULLEという町がその住所です。

チーズに付いているラベルはまるでパスポート。大事に保管しています。

下の地図では、右上にある赤○の町がそこです。レマン湖のほとりにあるローザンヌ市の東側にあることが分かります。再び上のラベルについて見てみましょう。左の行を見ると、出荷日が8月30日(2007)であることが分かります。そして、摂氏12度で保存するとなっています。右上に移ります。熟成させたのは、CH2054の工場番号を持つアフィナージャー(チーズ熟成専門の会社)が行なった事を示しています。また、このチーズを作ったのは、CH6164の工場番号を持つ製造者です。
 
また、DLUOは、12月28日(2007)となっています。DLUO(date limite d'utilisation optimale)は、フランス語で賞味期限のことです。チーズなどの食品の場合、このDLUOが該当します。この賞味期限(保存期限)は、フランスでは法的な拘束力は持たず、賞味期限後もその製品の品質が保たれていれば、販売が許されるとのことです。確かに硬いチーズは出来るまでに1年や2年、中には3年も経ているので、数ヶ月過ぎても品質が大きく変わることが少ないと私も思います。
 
ここで賞味期限と消費期限のお勉強を・・・・。チーズの様な保存できる食品の一方で、お魚の刺身の様に期間を過ぎて消費した場合、人体に直接悪影響を与える可能性のある「生鮮食品」に対しては、一定期日までに消費することを強調する形で「消費期限」という呼び名で製品に表示をします。これをDLC(date limite de consommation)と言います。この日付は、遵守されなければならず、この期限を越えた製品の販売は禁じられます。
 
さて、話をラベルに戻しましょう。DLUOの下にあるのが、Au lait cru です。生乳で作られていることを示しています。

レマン湖の南側には、あの水で有名な町、エヴィアンもあります。この地図でもありますね。

では、ここからはグリュイエール・アルパージュのホールの側面を写した写真をご覧下さい。いろいろな刻印がありました。下の写真の部分では、「LE GRUYERE」と刻印されています。



そして、上のチーズの右側を見てみたのが下の写真です。「LE GRUYERE」とあったので、続きはもちろん・・・・、そうです、確かに「ALPAGE」と刻印されています。^^)また、その右端には、「AOC」の文字も見えますね。


さらにチーズを回転して右に進んでみます。すると、・・・先ほどの「AOC」の右には、「CH6164」という刻印が見えました。おお、これは正にこのチーズを作った人(工場・会社)を示しています。この番号を見て、さきほどあった白い四角いラベルを作ってこのチーズに貼っていたのです。



次にチーズのラベルを拡大した写真をご覧下さい。ご覧の通り、「LE GRUYERE」の文字の他に「ALPAGE」という文字も印字されています。「LE GRUYERE」の右に小さい文字が見えるのは、「AOC」と書かれています。このチーズはスイスからフランスに出荷されているので、フランス流に「AOC」としていますが、このチーズがイタリアに出荷する場合には、「AOC」の代わりに「DOP」という文字にしています。(しかし、チーズの側面にあった「AOC」の刻印は直せないのでそのままです。)


最後にカットした断面のアップの写真をどうぞ。うまみ成分のアミノ酸が結晶化していて、所々に白い粒粒が見えました。濃厚な味わいのチーズで私はとても好きです。このチーズが今晩食べられるかと思うと、「配達を早く終えて家に帰りたい。」と思ってしまうほどなのです。^^)

です。

如何でしたか? これらを見れば、たとえ100gのカットされたグリュイエール・アルパージュでも全体がどんなチーズだったのかが分かり、より美味しく頂けるのではないかと思います。これからも一般の消費者には見えない部分をどんどん紹介していきたいと思います。


グリュイエール・アルパージュ (スイス)チーズの表面には、この様なラベルや刻印があります。