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モッツァレラチーズの工場(Caseificio Francia/Italia)



10月中旬(2005年)にローマの南にある水牛のミルクで作るモッツァレラのチーズ工場に取材に行きました。1回目の今日は、工場の様子と働く人たちの様子をご紹介します。

水牛のモッツァレラを専門に作る Caseificio Francia は、ローマから南に70kmほど走った海岸線の町ポンティニーア(Pontinia)にあります。工場から海までは車で5分ぐらいです。かつては、この地域は湿地帯でやせた土地でしたが、水はけを良くしたり、土地の改良を重ねた結果、今では黒い肥沃な土が出来て、豊かに作物が実り、水牛の放牧にも適した地域になったそうです。太陽がいっぱいのイタリアですから、土がよければもう何でも作れます。さて、このモッツァレラの会社は、フランチャ(Francia)といいます。私は今までに実にいろいろなメーカーの水牛乳のモッツァレラを食べてきましたが、このメーカーのものは5本の指に入るおいしさだと思います。では、さっそく中に入ってみましょう。

フランチャのモッツァレラチーズ工場。歴史を感じる建物でした。

まず、いいチーズ工場だと言われる所では、衛生面に特に気を付けています。それは部外者の入場もきちんとすることに表れています。私達もこの様に服装を整えます。帽子、白衣、そして外靴をすっぽりと覆うビニール製のブーツです。見学が終わると使いまわしするのではなく、全て廃棄しています。

着替えた後で、殺菌剤の入った足用プールで靴を洗ってから工場に入りました。

下の写真のように、この工場は丸いカーブの高い天井で、窓も高い位置についていて、まるで体育館のような印象でした。床は水で洗い流せるようにコンクリートになっています。私は工場に入ると、すぐに鼻が働きだします。うーん、この工場もいい匂いがします。やっぱり、おいしいチーズを作る工場はいい匂いがするのです。そして、私はどんな表情をした人が働いているかが気になります。また、どんな服装をしているのかも良く観察します。どんな気持ちで働いているかは、チーズの品質に大きな差が出るからです。

天井が高く明るく働きやすそうな工場でした。

挨拶をすると皆さん、にっこりと微笑んでくれます。若者ばかりではなく、ベテランの男の方や女性の方も多いです。皆さんとてもいい表情で働いていらっしゃいました。Tシャツ姿で、ゴム長靴を履いていて、服装もきちんとしています。私も安心しました。下の写真は、モッツァレラの伸びを調べているところです。後ほど詳しく解説しますが、カードに熱水を加えて混ぜることにより、弾力のあるチーズになるのですが、その状態を写真に撮りやすい様にと見せてくれたのでした。ありがとうございます。

言葉は通じなくても、やりたいこと見せたいことは通じるのです。

また、こちらのおじさんはカメラを向けるとポーズをとってくれました。従業員の方達がみな仲がいいことが良く分かります。若者とベテランが同じぐらいの人数でしょうか?いいバランスだと思いました。製造工程の中で大事な部分はベテランが担当し、それを若者が見ながら仕事を覚えているようでした。それぞれの工程で、ベテランと若者がコンビを組んでいるようです。

陽気なおじさん。力が抜けています。私もこういうベテランになりたいです。

今回案内してくれたのが、下の写真の右端のジョルジョです。その左にはステファニアさん。そして、その隣が2人のフランチャの職人さんです。

出来たモッツァレラを食べた後で、”ハイチーズ。”

ジョルジョに初めて会ったのは、美奈子店長です。もう9年ぐらい前ですが、それからずっとイタリアチーズの全てをジョルジョにお願いしています。対応がとても早く的確で、いつも助けられています。また、おいしいものが好きで、訪問するたびに取って置きのレストランやピッツエリアにも連れて行ってくれます。そして、私に人生の楽しみ方を教えてくれた一人です。


・第1話;モッツァレラの食べ方に戻る。




モッツァレラチーズの工場(Caseificio Francia/Italia)